キリクのこと

 

有機小麦、天然酵母、オーガニック食材でつくる、主食になるパン。
地元で剪定された薪を使って焼いています。

きっかけは、家族の体調不良でした。
原因を探ると、以前営んでいたベーカリーで使っていた、外国産小麦のポストハーベスト農薬(収穫後に散布する農薬)の吸引摂取、過剰な砂糖類や油脂類の摂取でした。たしかにそれらを使えばおいしいパンは作れますが、「過ぎるおいしさ」は日常に必要ないと、身体を通して感じたのです。これは、食に携わる者として「本当の意味で、安全・安心な食べ物を提供する責任」を再認識できた出来事でした。その後、独学で国産小麦を使った自家培養酵母パンの研究を始め、試作を重ねた末、健全で安心なビオ(有機農産物や有機加工食品)の材料を使って、粉と水と塩で作る素朴で日常に寄り添うパンを作ることにしました。

「薪窯のパン職人だなんて、カッコいいな~」と漠然とした憧れはありました。ただ実現させるとなると、スペースの問題、周辺の環境、薪の調達、なにより憧れだけでは務まらない重労働ゆえ、なかなか一歩踏み出せないままでいました。
そのうち、大量の雑木や廃材が相当なエネルギーやコストを使って処理されていると知り、捨てる人と使いたい人が繋がっていれば無駄がないのになぁと思い始めたこと。さらに、とてもカッコいい薪窯パン屋さんの、素晴らしい風味のパンを食べたこと。そのタイミングが重なり、本気で薪窯でパンを焼きたいと思うようになったのです。

キリクでは、こね上げたり寝かしたりする温度に注意して、低温で20時間近くかけて発酵させてからしっかり焼いています。こうしてじっくり寝かすことで、日持ちも、消化もよいパンになったと感じています。
薪を燃料に、石窯で焼いたパンは、外はカリッ、中はしっとりと焼き上がります。
電気オーブンで焼くよりも、焼き手の感覚が求められる薪窯は、手間もかかるし難しいものですが、炊飯器よりかまどで炊くごはんがおいしいように、香りもこうばしく、オリジナリティーあふれるパンに焼き上がります。

原材料のこと

アグリシステム株式会社(北海道)
・北海道産 石臼挽き有機小麦
・北海道産 石臼挽き有機小麦全粒粉 キタノカオリ
H28年度産有機栽培キタノカオリの不作を受け、使用原料小麦を有機JAS認定(転換期間中※)原料へ変更します。
*転換期間中有機農産物とは、JAS法に定められた有機農産物と同じ栽培方法ですが、その栽培方法を始めてから6カ月から3年未満のものとされます。

麦から育てるパン屋さん「大地堂」廣瀬さんより
・滋賀県日野産 減農薬ディンケル小麦
・滋賀県日野産 減農薬ライ麦

■アグリシステム株式会社さん
「食事は命を支えるもの」という観点から、本物の農産物を供給する循環的な農業の普及に力を尽くされています。生きた土づくりを中心に、食品工場から排出される食品残渣を受け入れて堆肥化処理するなどの資源リサイクル化や、収穫後の品質保持、トレーサビリティー、流通対策の構築など循環的な農業の普及に力を尽くされ、健康に寄与する全粒粉を主食として提案されています。

■麦から育てるパン屋さん 大地堂さん
大地堂さんは、その名のとおり「麦から育てるパン屋さん」。滋賀県日野町で小麦を自ら育て、石臼で挽いてパンを焼き上げておられます。キリクで仕入れている「ディンケル小麦」とは、パン用小麦の原種にあたる古代穀物。普通小麦に比べて、ビタミンやミネラルが豊富で、しかもナッツのような香りと味わいが特長です。農業家でもある大地堂の廣瀬さんは、日本では難しいといわれていたディンケル小麦の栽培を模索され、2007年に日本で初めてその収穫に成功されました。

キリクのある小畑村を流れる菅生川支流の水を浄水して使っています。少し前まで、村の人々は川から直接水を引いていたというほど、澄んだ水です。

酵母

北海道産 石臼挽き有機小麦と水を発酵させてできた自家ルヴァン種(天然酵母)。

ドライフルーツ・果物・野菜・スパイス

オーガニックまたはそれに準ずるもの

喫茶で使っている食材・調味料

天然醸造醤油 天然醸造生味噌 三河みりん お塩ちゃん天日海塩 一番搾り菜種油 亜麻仁油 堀内製油純正ごま油 オメガニュートリジョン社エキストラバージンオイル など。おやつ以外は、砂糖を使わないルールで、メープルシロップ、アガベシロップ、ドライフルーツなどで代用。

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